自分に必要なものが、自然に巡ること。
※本シリーズでは、上記の定義を元につながっていきます。
片づけると流れがよくなる、
とはよく聞く話
「片づけると運がよくなる」
これも、かなりよく聞く話だと思う。
部屋を整えると気分が変わる。
不要なものを手放すと流れがよくなる。
空間がスッキリすると、運まで動き出す。
そう言われると、
たしかにそんな気もしてくる。
実際、散らかった部屋より、
整った部屋のほうが気持ちいい。
探し物も減るし、
なんとなく頭まで軽くなる感じもある。
でも一方で、
こうも思うわけだ。
いや、片づけたくらいで
運まで変わるん?
と。
この疑問はかなり自然だと思う。
むしろ、一回ちゃんと引っかかったほうがいい。
収納を整えた瞬間に、
人生の流れまで一気によくなる……
みたいな話なら、
さすがにちょっと雑すぎる。
じゃあ整理整頓って、
ただ気分がいいだけの話なのか。
それとも、何か別の意味があるのか。
今回はそこを、
あり得ないくらい真面目に考えてみたい。
でも、ただ捨てれば
「運」がよくなるわけではない
先に言ってしまうと、
ただ捨てれば運がよくなる、
という言い方は強すぎると思う。
ものを減らしたからといって、
それだけで仕事も人間関係も全部うまくいく、
なんてことは、そうそう無い。
もし何か変化があるとしても、
それは片づけだけの効果というより、
他にもいろんな条件が重なっていたはずだ。
だから、
「とにかく捨てれば流れが変わる」
という話をそのまま受け取ると、
少しズレる。
しかも、
整理整頓を“捨てる競争”みたいにすると、
かえっておかしくなることもある。
必要なものまで減らしてしまう。
自分に合っているものまで手放してしまう。
スッキリしているはずなのに、
なんだか空間まで痩せた感じになる。
そうなると、
整えたというより、
削ぎすぎた状態に近い。
整理整頓って、
何でも減らせばいい話ではないんだよね。
大事なのは、
減らした量ではなく、
何が残っていて、
何が埋もれていて、
何が詰まっているかのほうだと思う。
それでも整理整頓が
「無関係」とは言い切れない理由
それでも整理整頓が無関係とは言い切れないのは、
空間のゴチャつきが、
そのまま感覚や動き方に影響しやすいからだ。
視界にものが多すぎる。
使いたいものが埋もれている。
どこに何があるか分からない。
ちょっとした作業のたびに探す。
こういうことって、
一回ごとは小さくても、
毎日積み重なると意外と効いてくる。
探す。
避ける。
後回しにする。
見ないふりをする。
そういう小さなストレスが増えると、
空間そのものが
「必要なことをスムーズにできる場所」
じゃなくなっていく。
しかも、
本当に使いたいものや、
大事にしたいものほど、
ゴチャつきの中では埋もれやすい。
つまり整理整頓って、
見た目を整える話であると同時に、
必要なものとの関係を見失わないための話でもある。
だからこそ、
無関係とは言い切れないんだと思う。
整理整頓は、減らすことより
「通り道をつくること」に近い
整理整頓の本質は、
たぶん「減らすこと」そのものではない。
むしろ、
通り道をつくることに近い気がする。
- 必要なものが見える。
- 使いたい時に使える。
- 動きたい時に動ける。
- 余計な引っかかりが少ない。
そういう状態が整うと、
空間の使い方も変わるし、
自分の動き方も変わる。
逆に、
ものが多いこと自体より、
通り道が塞がっていることのほうが
問題になりやすい。
足元が詰まっている。
机の上がいっぱいで作業が始めにくい。
必要な道具が奥に埋もれている。
視線の先にいつもノイズがある。
そうなると、
空間の中での巡りが鈍る。
だから整理整頓は、
単に“ものを減らす技術”というより、
必要なものがちゃんと活きるための
通り道をつくる行為なんだと思う。
物理的な通り道でもあるし、
感覚の通り道でもあるし、
行動の通り道でもある。
そう考えると、
片づけが「流れ」と結びつけられてきた理由も、
少し見えてくる気がする。
それは「御縁」と
「風通し」にもつながってくる
ここで少し、
SYNCHROOTSの見方につないでみたい。
整理整頓は、
単なる収納や効率の話ではなく、
「御縁」の整え方としても見ることができる。
SYNCHROOTSでいう御縁は、
人とのつながりだけを指しているわけじゃない。
自分を取り巻く空間や、
日々接しているモノとの関係も含まれてくる。
そう考えると、
モノが雑に積まれている状態というのは、
ただ散らかっているだけではなく、
御縁の扱い方が乱れている状態とも言える。
必要なものが埋もれている。
大事なものが後回しになっている。
逆に、もう役目を終えたものが
ずっと居座り続けている。
そういう状態は、
モノとの関係が少し曇っているサインでもある。
そしてもうひとつ、
整理整頓は「風通し」ともつながっている。
前の回で見たように、
風通しが悪いと、
場のこもりや停滞は強くなりやすい。
それは空気だけの話じゃない。
モノが詰まりすぎていても、
空間の巡りは鈍くなる。
だから整理整頓は、
御縁を整えることでもあり、
風通しを回復させることでもある。
モノとの関係を見直しながら、
場の巡りを少しずつ軽くしていく。
そういう行為として見ると、
かなりしっくりくる。
開運テクニックというより
「必要なものが巡る状態を整えること」
結局のところ、
整理整頓をしたからといって
劇的に運が上がる、
とは言い切れない。
でも、
だから意味がないとも思わない。
整理整頓は、
開運テクニックというより、
必要なものが巡る状態を整えることとして見るほうが
しっくりくる気がする。
不要なものを削ぐこと。
必要なものを埋もれさせないこと。
通り道をふさがないこと。
今の自分に合った関係を見直すこと。
それは派手な変化ではない。
でも、
自分に必要なものが自然に巡る、
という意味での「運」とは、
たしかにつながっている。
巡りというのは、
何かを大量に足すことだけで起きるわけじゃない。
むしろ、
余計な詰まりを減らして、
必要なものがちゃんと活きる状態に戻していくことのほうが、
ずっと土台に近い。
整理整頓って、
未来を操作するための裏ワザではない。
ただ、
自分のまわりにある御縁を見直して、
必要なものが通れる状態をつくることはできる。
そして案外、
そういう地味な整え方のほうが、
長い目で見ると巡りに効いてくるのかもしれない。
次回は、
もう少し「命を入れる場」に寄せながら、
台所と運の関係について考えてみたい。



