い草は、空氣を整え、香りで感覚をゆるめ、
暮らしの場に静かな調和をもたらしてくれる存在です。
そんな自然素材だからこそ、
「お手入れが難しそう」と感じる方もいるかもしれません。
けれど、実際はい草はとてもシンプルで、やさしく扱えば十分に応えてくれます。
本記事では、い草を長く心地よく使うための“整え方”をご紹介します。
お手入れの基本から、やってはいけない注意点、保管方法まで。
自然と寄り添う感覚で、い草との付き合い方を見つめ直してみましょう。
い草くんが喜ぶ
“置き場所”って?
い草を長持ちさせるうえで、まず大切なのは「置く場所の環境」です。
自然素材であるい草は、空氣の質や湿度にとても敏感だからです。


い草くんって、やっぱり繊細なの?



うーん、繊細っていうより「空氣に敏感」って感じかな。
ボクはね、風通しがよくて、直射日光の当たらない場所が好きなんだ。



たとえば、リビングとか寝室とか?



うん、そういう場所ならバッチリ。
あとは玄関とかデスクまわりとかもおすすめ。
空氣がよどみやすいところに置くと、ボクの力も発揮しやすいんだ。
い草は、空氣を整える役目を持つだけでなく、その場の「氣の流れ」にも影響を与えてくれます。
置き場所を工夫することで、空間全体の雰囲氣がより落ち着いて感じられるようになります。



あ、たしかに!なんかい草を置いてから、
玄関の空氣がすっきりしてる氣がする!



それそれ、それなんだよ〜。
風通しがよくて、空氣が巡る場所にいると、
ボクも伸び伸びできるんだ。
まずは、い草にとって心地よい環境を整えること。
それだけで、長持ちもしやすくなり、空間のエネルギーも変わっていきます。
い草のお手入れの基本。
「かんたん3ステップ」
い草のお手入れは、思っているほど難しくありません。
むしろ、やさしく手をかけるだけで、素材そのものの力が長持ちしてくれます。





お手入れって、
どのくらいの頻度でやればいいの?



月に1〜2回くらいで大丈夫だよ!
むしろ毎日ゴシゴシされると、
ボク、ちょっとびっくりしちゃうかも…。
基本的なお手入れは、次の3ステップでOKです。
① やさしく掃除機をかける
毛並みに沿って、弱めの吸引力でホコリを吸い取ります。畳ブラシなども便利です。
② 乾いた布で軽く拭く
濡らさずに乾拭きすることで、表面の整えとツヤ出しができます。
③ 風通しのよい場所で陰干し
直射日光は避け、風の通る場所で半日ほど干すと、湿氣が抜けてスッキリします。



意外と簡単だね!これなら続けられそう。



うんうん、無理せず“整える感覚”でやってくれたらうれしいな。
あ、動画もあるから、見ながらやると分かりやすいよ。
▼ い草のお手入れ方法【動画で解説】



動画で見られるのはありがたいね。
やってみよっと!
NG行為あれこれ!
い草くんが苦手なこと
自然素材のい草には、やさしく接することが基本です。
良かれと思ってやっていることが、逆に傷めてしまう原因になることもあります。





なるべく丁寧に扱ってるつもりだけど、
やっちゃいけないことってあるの?



あるある…ボク、
ちょっと苦手なことがいくつかあってね。
① 水拭き・濡れ布巾はNG
い草は水に弱く、
カビや劣化の原因になります。



濡らされるとね…
ちょっとゾワッてするというか…
やっぱり苦手なんだ。
② 直射日光に当て続ける
日に焼けて色が抜けたり、
乾燥しすぎてパサつく原因になります。



おひさまは好きだけど、
浴びすぎるとボク焦げちゃうから…陰干しがベスト!
③ 除菌スプレー・香りスプレー
化学物質に弱いため、い草が傷んだり
香りが変質することがあります。



人工の香りって、
ちょっとしんどいんだ…。
ボクは自然のままが一番嬉しいよ。
④ 湿ったまま放置する
湿氣を含んだまま放置すると
カビやニオイの原因になります。



あの…お願いだから、
濡れたらそのままにしないで…
ボク、黙ってカビるしかないの…。



うぅ…ごめん、い草くん。
今度からもっと氣をつけるね。
少しの配慮で、い草の寿命は大きく変わります。
苦手な環境を避けてあげることで、長く心地よく使い続けることができます。
それ、そろそろ
い草の交換サインかも?
い草は「ずっと使える」素材ではありますが、天然素材ゆえに時間の経過とともに少しずつ変化していきます。
使い方や環境にもよりますが、いくつかのサインを目安に、
メンテナンスや交換のタイミングを見極めることができます。





い草くんって、
どれくらい使ったら交換したほうがいいの?



うーん、ものにもよるけど、
畳の場合、畳表(い草部分)は5~7年、
畳床(芯の部分)は15~20年程度が目安かな。
でもね、ボクから出てる“サイン”を見てもらえると嬉しいな。
① カビやダニが発生している
少しなら、日陰干しや拭き取る等で対処。
ひどい場合は交換が必要です。



カビやダニがひどい場合、ちょっとお疲れモードかもしれない。
② 表面が毛羽立ってきた
繊維がささくれたり、触り心地が
ゴワゴワしてきたら要注意です。



ガサガサしてたら、そろそろ休ませてほしいサインかも…。
③ 色あせや変色が目立つ
日光や乾燥にさらされすぎると、
変色してムラになってしまうことも。



もうちょっと綺麗でいたかったけど…
これはボクなりの“がんばった証”なんだ。



…なんか、い草くんのこと
大事にしたくなってきたよ。
使い込むことで「香り・質感・色」の味わいが増すのも、い草の魅力のひとつ。
ただし、あまりにも劣化している場合は、そっと休ませてあげるタイミングかもしれません。
い草のアイテムによって、交換時期や寿命は異なりますので、
購入したメーカーさんに直接お問い合わせするのが一番です。
い草をしまうとき・
保管するときのコツ
季節によって使い分けたり、
引っ越しなどで一時的にしまうこともある「い草アイテム」。
最後に、長持ちさせるための保管や運搬のポイントをご紹介します。





しばらく使わないときって、
どうやって保管すればいいの?



まず大事なのは、湿氣を避けること!
しまう前には、しっかり乾かしておいてほしいな。
① 乾燥・通氣性を確保する
通氣性のある紙袋や布で
包んで保管するのが理想。



息ができないビニール袋等に
閉じ込められると…ちょっと苦しくてね。
② 平らな場所で重ねすぎない
重みがかかると、ゆがむことがあるため、
なるべく平らな場所で、数枚までに。



ぎゅうぎゅう押しつぶされるの、
ちょっと切ないんだ…。
③ 直射日光・高温多湿はNG
押し入れにしまう場合も、
湿氣と熱がこもりにくい場所を選ぼう。



出番が来るまで、大事にしてくれたら
ボク、またちゃんと働けるよ。



なるほどね。たまに風通し
してあげるのもよさそうだね!
い草は、整える素材であると同時に、整えてもらえる存在でもあります。
少しだけ氣を配ってあげるだけで、そのチカラはずっと持続してくれます。
まとめ:
い草と暮らす、ていねいな時間
い草という素材は、私たちの生活にさりげなく溶け込んでいながらも、自然の力を宿した存在です。
今回紹介したように、ちょっとしたお手入れや心配りで、その魅力や機能性を長く保つことができます。
特に「い草」のような、暮らしに寄り添うインテリアグッズは、愛着が湧いてくるもの。
ほんの数分の手入れや、設置場所の工夫が、
心地よい空間づくりや運氣の流れにもつながっていく感覚があります。
これから迎える季節の変わり目に向けて、
い草の香りに癒されながら、自分自身や空間を整えてみてはいかがでしょうか。
「モノを大切にすること」は、「日々を丁寧に生きること」とつながっている。
い草くんと過ごす時間が、そんな心のゆとりを取り戻すきっかけになれば幸いです。