かつては、どこの家にも当たり前のようにあった「い草の畳」。
しかし現代ではフローリングが主流となり、い草に触れる機会は少なくなってきました。
けれども、この静かに息づく植物には、想像以上の力が宿っています。
空氣を整え、香りで心を落ち着かせ、空間の“氣”さえも変えてしまう――。
「ただの草」とは、きっともう言えません。
私が愛用するメーカー「イケヒコ」さんの公式動画
分かりやすくまとめられています。
本記事では、対話形式というまた別の角度から解説します。
この小さな存在がもたらす、大きな調和の力。
“い草くん”との対話を通して、その魅力をひとつずつ紐解いていきます。
い草の効果効能①
“空氣を整える力”とは?
い草の第一の特徴は、「空氣を整える力」。
その仕組みや理由を紐解いていきます。


い草って、消臭効果があるって聞いたけど、
本当にそんなにすごいの?



ボク、ニオイの成分をぐいぐい吸着するんだ。
汗とか、ペットのにおいとか、タバコの煙とかもね。



へぇ~。まさか草が、
空氣清浄機みたいな働きをしてるなんて!



それだけじゃないよ。ホルムアルデヒドとか、
二酸化窒素も吸っちゃうんだ。



ホルムアルデヒドって、家具や建材に含まれてる
っていう有害物質だよね?



そうそう。最近は少なくなったけど、
まだゼロじゃないからね。
ボク、空氣の“よどみ”にすっごく敏感なんだ。



なるほど。空氣がこもってると感じる部屋でも、
い草を置くだけで変わるっていうのは、
そういうことだったんだ。



うん、あとは湿度も調整してるよ。
ジメジメしてたら水分を吸って、
カラカラだったら少しだけ放つの。



呼吸がラクに感じる理由、
ちょっと分かってきたかも。



ボクは、空氣の“間”を整えるのが得意なんだ。
それってね、人と人との「御縁」を整えるのにもつながると思ってる。
空氣が整えば、場の雰囲氣が変わります。
そしてその“場”は、人と人とのつながりや
出来事の流れにも影響を与えていきます。



たしかに、空氣の良い場所にいると、
心まで穏やかになるもんね。



だからボク、ただの草じゃないんだよ~。
い草の効果効能②
癒しのアロマ?呼吸が深くなる?
い草の香りには、「癒しの力」があります。
呼吸を深くし、心を落ち着かせる働きがあるのです。





い草の香りって、
なんか懐かしくて安心するよね。



フィトンチッドっていう香り成分を出してる。
森の中とか、畳の部屋に入ったときの
“ほっ”とする感じ。あれに近いよ。



あ〜分かる!
なんとなく深呼吸したくなる感じ。



それは副交感神経が刺激されて、カラダが
“安心モード”に切り替わってる証拠なんだ。



へぇ…じゃあ、い草って
自律神経にも影響を与えてるってこと?



うん、緊張がゆるんで、
呼吸が深くなって、氣持ちが落ち着いてくる。
だから、睡眠の質も上がるって言われてるんだよ。
呼吸が浅いと、思考が乱れたり、
イライラしやすくなったりします。
逆に、深い呼吸は心と身体を整えます。



空間を整えるだけじゃなくて、
カラダの内側にも作用するってすごいなあ。



呼吸は、カラダとココロの真ん中にあるんだ。
ボクはそこにそっと寄り添いたいと思っている。
い草の効果効能③
懐かしくて落ち着く“香りの記憶”
い草の香りを嗅ぐと、
「なんとなく懐かしい」「落ち着く」と感じる人は多いようです。
嗅覚が“感覚の入り口”として、深く結びついているからかもしれません。





たしかに、小さいころに遊んだ
畳の部屋を思い出すなぁ。



うん、その記憶って、香りと一緒にカラダの中に残ってるんだよ。
ボクの香りには、そういう“奥の感覚”を呼び起こすチカラがあるんだ。



香りって、無意識に作用するっていうもんね。
天然だから、鼻にツンとこないし、やさしい。



そうそう。ボクたちは化学香料と違って、刺激が強すぎないんだ。
だから、小さな子やペットがいても安心して使えるよ。
香りを通じて、自分の内側に触れる感覚。
それはまさに「感覚」が整う体験とも言えるでしょう。



香りって、空間だけじゃなくて、
自分自身のバランスにも効いてるんだね。



うん。ボクは目に見えない領域に働きかけてるんだと思ってる。
それが「感覚」の芯に届いて、整えてくれるよ。



たしかに、香りが整うと、
自然と深呼吸もできる氣がする。



だからボク、香りを届けるときは
「やさしく、そっと」って決めてるんだ。
い草の歴史と、ボクたちの物語
い草は、ただの素材ではありません。
奈良時代より人々の暮らしに根付く、
静かな“縁の守り手”です。





そんなに昔から、人と関わってきたんだね。



うん。最初はゴザみたいな形で使われてて、
平安時代には貴族達の間で大切にされてたよ。
やがて“畳”として暮らしの中に根づいていった。



畳って、もともとはすごく
格式高いものだったんだよね?



そうそう。最初は天皇/貴族の屋敷にしか使われていなかった。
でも、時代が下るにつれて庶民の家にも広がっていったんだよ。



今ではあんまり見かけなくなったけど、
日本の原風景って感じがするなぁ。



今でも、静かに人の暮らしを見守っているよ。
熊本の八代では、い草農家さんたちが毎年ていねいに育ててくれてる。



あ、たしか“泥染め”っていう
独特な製法もあったよね?



そうなんだ。収穫後、泥の中で染めることで、
い草の色つやや耐久性が増すんだよ。
あれはボクにとっての“儀式”みたいなものかな。
い草には壮大な物語があります。
その一本一本が、大地と人とをつなぐ
“記憶のしずく”なのかもしれません。



こうして聞いてると、い草って凄いよね。
敷いて座るのが申し訳ない氣がしてくるね笑



ふふ。
ボクは敷かれても踏まれても、氣にしないよ。
むしろ、そっと支えるのが好きなんだ。
い草と“シンクロ”する暮らし。
様々な雑貨で楽しもう
畳の部屋がなくても、い草は様々な形で
暮らしに取り入れることができます。
ラグやスリッパ、クッションや枕など、
その用途はとても自由です。





最近は、オシャレな
い草アイテムも増えてきたよね。



和室じゃなくても、い草はなじむよ。
フローリングやデスク周りにも、スッと入り込めるんだ。



空間に置くだけで、香りや空氣が
整うって、けっこう凄いことだよね。



“氣”は目に見えないけど、ちゃんと届くんだ。
それを感じ取ってくれる人がいると、ボクもうれしくなるよ。
SYNCHROOTSの視点で言えば、い草は
「御縁(空間)・身體・感覚」
に同時にアプローチできる、稀有な存在。



たしかに、空間が整って、
呼吸が深くなって、香りで落ち着く…
それって、シンクロの3本柱みたいだね。



ボクって、じつは
“天然のチューナー”なのかもね。
い草は、ただの草ではありません。
それは、自分自身と空間を調和させる
“自然からの贈りもの”。
そっと置くだけで、少しずつ整っていく。



い草くん…色々聞いて、
めっちゃ尊敬してきたわ!



えへへ。ボク、
ちゃんと氣持ち整えて待ってるからね。
おわりに──
ただの草じゃない、その本質
い草は、私たちの暮らしの中で静かに息づく存在です。
空間の空氣を整え、呼吸を深くし、香りで感覚をやさしく包み込む。
それは決して派手ではありませんが、目に見えない領域にまで働きかけてくれる、
“本質的なチカラ”を持っています。
敷いても、置いても、飾っても──
そっと寄り添い、支えてくれる。
暮らしの中に、そんな存在がひとつあるだけで、毎日のリズムが少しずつ変わっていきます。
SYNCHROOTSの視点で見れば、い草はまさに
「御縁(空間)・身體・感覚」を同時に整えてくれる“天然の調律材”です。
い草は、ただの草ではありません。
それは、整える力を秘めた、小さなパートナーなのです。